「取説屋:石井ライティング事務所」の代表兼テクニカルライターのブログ 本家サイト http://torisetuya.com

【わかりやすいマニュアルの作り方】第160回販売方法と取扱説明書

こんにちは。前回は大変失礼いたしました。
本当はお休みをしたくなかったのですが、いかにせん弊社は代表一人だけの、ミニマム会社ですので、こういったことが起こるとどうしても手が回らず、お休みせざるを得ません。

さて。今回は、販売形態と取扱説明書の関係について、述べようと思います。

■売り方の変化

変わった見出しがついてるのでびっくりされた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際のところ、昔のような対面販売からセルフ販売、あるいは通信販売へと販売方法が切り替わっていくにつれ、取扱説明書の重要性は、より高まっているのです。

何のことだと思われるかもしれません。無理もないと思います。
ここから順に説明していきます。

かつての主な販売方法は、商品について詳しい店員さんがいる対面販売でした。
現在でも最も望ましい販売方法だと思いますが、残念なことに詳しい店員さんを育てるにはコストがかかるため、減っている販売方法です。うちの近所では、商店街の味噌屋さんが「この季節にはこの味噌がおいしいよ。」と勧めてくれるのですが、こんなお店はほとんど見かけなくなりました。

さて、それに代わって主流となっているのは量販店などのセルフ販売方式や、それをさらに突きつめた通信販売です。

広い売り場に少数の店員さんを配置して、レジに商品を持って行きます。このバリエーションに商品カードを持って行く場合もありますし、商品を決めたら、店員さんを呼ぶという方法もあります。
いずれの場合も、これらの販売方法では販売する店員さんが詳しい知識を持っていません。なぜならば、一人一人の守備する販売エリアが大きく、商品点数も多いため、きちんと商品知識を教えようとすると、教育コストが多くかかるためです。

さらに、通信販売の場合には店員さんはいませんから、すべてを本やサイトの「説明」で商品を理解してもらわなければなりません。
勘違いした理解をされてしまうと、後でクレームの元となります。

■売り方と取扱説明書

さて、それでは取扱説明書は売り方の変化とどうかかわってくるのでしようか。

スムーズに買い物をする場合は、さほど影響を与えません。

問題はお客様が迷っているときや、よくわからずにそのまま買って帰った場合です。

商品のカタログ・パンフレットやチラシは店に置いてあります。しかし、これらは商品の良い点ばかり書いてあるため迷っているお客様にとっては、決定的な商品差別化のポイントを見つけるのにはあまり向いていません。

もちろん、それだけ強烈な個性を商品に付けられるのが一番ではありますが、それよりも、自分の商品が誠実であることを説明しようと思った場合、取扱説明書は強い武器になります。
商品のカタログ・パンフレットやチラシと同時に店に一部で良いですから、自由に参照できる取扱説明書があれば、使い道や商品の目的などを間違えることは大幅に少なくなるでしょう。

そうです。
店員の知識不足をメーカーから提供する取扱説明書でカバーしてしまおうということです。

■取扱説明書が役に立つ例

簡単な例で示します。

洗濯機を買おうと思った場合、大きく分けて、縦型洗濯機と横型のドラム式の二種類があります。
今の縦型洗濯機の場合、乾燥機能もついていて、ドラム式と大きな違いはないようにスペック上では見えます。洗いから乾燥まで全部の機能を洗濯機が行うことができます。

しかし実際には、縦型洗濯機は洗濯時間が短く、洗浄力が強いなど、外干しができる環境で使うのに適していて、ドラム式は洗濯時間は長いものの、乾燥まで全部の工程を洗濯機が行うのに適しているといった差があります。

こういったことは、丁寧に商品のカタログ・パンフレットを読み込んでいけば情報を見つけることが、できないわけではありません。

しかし、取扱説明書が置いてあれば、洗濯時間の差などはぱらぱらとめくってみるだけで一目瞭然です。

これらの違いは特性の違いというべきもので、目的に合わせて選ぶと最大の効果が発揮できます。どちらが優れている、というものではありません。

小さなお子さまがいて、おむつの洗濯を、大量にしなければならない場合には洗濯時間が短い。縦型を選択した方が、よい結果が得られますし、若い夫婦で二人とも会社に行っている場合などは帰ってくると、洗濯が終了しているドラム型の方が適しているでしょう。

これらの場合に逆に選んでしまうと「何か使いにくい」という結果になります。

ちょっと使いにくい程度で済めばいいのですが、場合によってはクレームにつながることがあります。クレームは起きる前に予防が一番です。

クレーム対応についても取扱説明書は役にたつのですが、それはまた別の機会に。

弊社はこういったことを考えながら、取扱説明書を提供させて頂いております。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


2/20の更新はお休みさせていただきます

まことに申し訳ありませんが、家庭に不幸があったため、今回の更新は休みさせていただきます。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第159回取扱説明書の対象について

ようやく少しずつ温かみを感じるようになってきました。
まだ春は遠いですが、春の足音が聞こえてくるような気がします。

弊社では、先週はいろいろな所に出かけていました。
今回は、その中でつかんだ新しい考えについて述べさせてもらおうと思います。

■制作する取扱説明書の対象を広げる

弊社では、これまでは主に「一般消費者」(コンシューマー)向けの取扱説明書を扱ってきました。

したがって、制作された結果は「印刷所に納品するとそのまま印刷できる」データであり、「凝ったレイアウトされたキレイなデザイン」の仕上がりでした。

はっきり言うと、格好の良い出来あがりです。

しかし、問題もあります。

格好良くしようとすると当然ながらコストがかかります。分かりやすくするためにはある程度の作業コストは必要ですが、格好良くするためのコストとは別のことです。

簡単に言うと、コストの半分はDTPとデザインとレイアウトに掛かっています。これを切ってしまおうということです。

実を言うと、弊社の利益もこのあたりから捻出させていただいたりすることもあるので、これは経営的にはかなりの冒険でもあるのですが…。それでも、この仕事には絶対に意味があると私自身が確信しています。だから、やるのです。

■技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書

最終消費者向けの製品を作っていないメーカーやサービスを提供している会社は非常に数多くあります。実際のところ、最終消費者向けでないメーカーやサービスを提供している会社の方が数が多いのではないかと考えています。

営業に行くとよく言われるセリフがあります。

「うちでは消費者向けの製品は作っていないから、取扱説明書は必要ないんですよ」

そうでしょうか。

自分は「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」のできが、いまひとつのために、作業が滞ったり問い合わせが多くなったりしている例を数多く見ています。

作業マニュアルはきちっと作られている方が良いに決まっています。あえて言えばきちっとできていない作業マニュアルはタダのゴミです。

自分はきちんとした取扱説明書を作成する技術を持っています。それは構成であったり、編集であったり、、最低限のレイアウトの知識であったりしますが、それは極小のハンダ付けをしたり、バフがけで平面に磨いたりすることと同じように、身につけようとするとどうしても時間がかかるものです。

極小のハンダ付けをしたり、バフがけで平面に磨いたりする作業が必要になったらどうしますか?社内の事務員にやらせたり、エンジニアさんにちょっと練習させてやらせますか?
まさか。当然、外注しますね。

取扱説明書制作も一緒です。「きちんとしたわかりやすい取扱説明書」を制作するには、技術が必要です。

「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」をわかりやすく作り直して、公開してみませんか?

弊社では、現在「技術者・作業者・販売者向けの取扱説明書」の価格体系や作り方を検討しています。少なくとも現状の最終消費者向けの取扱説明書に比べれば大幅に低コストでできると思われます。

もちろん、コストを削っただけではなく、お使いになるお客様にもメリットがある方式、具体的には最終的に納品するデータがDTP用のIllustratorやIndesignといった、操作に専門的な知識が必要なデータではなく、一般的なWordのデータと公開用のPDFのセットなどにする(その分は弊社でもDTP作業がなくなってコストが低下します)といったことを考えております。

詳しく仕様が決まったらまた、こちらでお知らせさせていただきます。

よろしくお願いします。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第158回 情報公開は取扱説明書公開から

少し日が延びて暖かさを感じる日が増えてきました。

雪国の方はとても大変だと思いますが、頑張って下さい。

■情報公開の第一歩として

さて、今回は前回書いた「第157回取扱説明書は公開しよう」の続きです。

前回は「取扱説明書はどんな時に使われるか」について書きましたが、これを一歩踏み込んでみます。

そもそも取扱説明書とは何でしょうか。これは前々回(第156回広告コピーと取扱説明書の違い)で説明しましたが、取扱説明書はお客様にお渡しする「わかりやすくした技術文書」です。

技術文書である以上、製品寿命やメンテナンスや設定のことも書いてある…はずです。もしも書いてなければ、その取扱説明書は技術文書としては欠陥があるということに残念ながらなってしまいます。

前回、私は製品を購入する前に取扱説明書がダウンロードできるのであればできるだけ見てみると書きました。実際、どうして取扱説明書で見るのかというと「悪い」情報もほしいからです。

どんなに頑張っても「良い情報」だけで構成されるような製品は作ることができません。どうしても営業的に「良くない」情報も含まざるを得ないのです。たとえば、バッテリーは使うと充電しなければなりませんし、劣化もしていきます。交換する必要もあるかもしれませんし、その型番やパーツの発注方法も取扱説明書にはあるとよい情報です。

しかも、技術文書である以上、それらの情報はカットできません。技術文書で悪い情報を掲載していなければ、それは役に立ちません。

■情報公開について

さて、ではもう片方である情報公開について考えてみましょう。

情報公開を求めるとき、あなたはどのような情報を請求するでしょうか。
カッコ良い写真や、良いイメージのイラストの情報を請求する人は、まずいないと思います。

つまり、公開して欲しい情報というのは「カッコ良くない」できれば「公開したくない」情報です。

しかも、「良いこと・悪いことひっくるめて」の情報です。たとえば、製品が重金属を含んでいるか、排気する場合にはどうしたらよいかといった情報が必要です。

こういった目的には、製品ごとに新しい資料を作って公開する方法もありますが、弊社としては「取扱説明書の中に公開すべき情報を入れ込んでしまう」という方法を提案させて頂きます。

そうすれば、取扱説明書を公開するだけで、きちっと正しい情報を公開でき、情報公開を請求されることも減る可能性が大きくなります(断言はできません)。

公開すべき情報については、時代につれて変わっていくところもありますから、それぞれご相談させていただく必要がありますが、潜在的なお客様に対して、積極的な情報提供を行うことは時代のニーズにマッチすることではないかと思います。

そういった取扱説明書の制作のご相談でしたら、以下にどうぞ。
マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】第157回取扱説明書は公開しよう

寒いですね。

いまが一番寒い時期ですから仕方ないですが、それにしても雪がなかなかとけません。
うちではバイクを使っているのですが、結構広い範囲の駐車場の雪が溶けずにそのまま凍り、出口がふさがれてしまいました。
雪がなくなって安全にバイクを出せるようになるまで、ほぼ一週間かかりました。

■取扱説明書はどんなときに使う?

今回は取扱説明書の公開についての話です。
ちなみに、メーカーさんで取扱説明書を制作している場合を想定しています。

さて、まず根本的な話から。
取扱説明書はどんな時に使いますか?
そうです。買った直後と、しばらく使っていて使い方がわからなくなったり、トラブルが起きたときですね。
購入直後は公開していても、あまり見ることはないでしょう。なぜなら紙で印刷された取扱説明書が手元にあるからです。
では、2年くらい使用した後に使い方がわからないことが出てきたらどうでしょうか。

たしかに、取扱説明書には「この取扱説明書はいつでも参照できるように大切に保管して下さい」と書いてあります。自分もそう書いています。
ですが、実際にはどうでしょうか。
「速攻で取扱説明書は捨ててしまう」という人はさすがに少数派だとしても、「外箱の中に入れっぱなしで押し入れのどこかにしまった」「どこにあるか忘れた」といった人がかなりの割合を占めるのではないでしょうか。
あ、これは決して自分の体験談ではありません。ただの一例です。念のため。

こうしたときに、Webで公開してあれば、少なくとも検索できるユーザーは見つけることができます。
また、トラブルの場合にしてもたとえば「停電によって時計がリセットされて12:00になってしまった」「電池の交換方法が分からない」程度のこと、リセットしたり再設定したりすればすむことであれば、ユーザーが自分で時計を再設定すればすみます。うまくいくと、ユーザーサポートにかかってくる電話がわずかではあるかもしれませんが、減るかもしれのせん。
もっとも、減ったとしても「かけるのを止めた」件数は調査する方法がないので、どれだけ減ったのかは定量化した調査は難しいと思いますが。

■公開した取扱説明書のもうひとつの使い道

実は、公開した取扱説明書の使い道はもうひとつあります。
「買う前に取扱説明書を見てみる」ということです。
少なくとも、自分と他の知り合いも何人かしています。
宣伝は基本的によいことしか書いてないということは前回書きました。それに対して、取扱説明書には製品に関するすべてのことが書いてあります。
メンテナンスや清掃の方法、消耗部品がある場合(フィルター、ボンベ、電池など)は交換方法と消耗部品の価格や消耗部品の寿命、こんなことは取扱説明書にしか書いてありません。
家電製品の場合、こういった情報は使い勝手に大いに影響します。しかし、広告からはこういった情報を得られるとは限りません。もちろん、店頭に行ってその商品を直接さわり、店員さんに聞けば教えてくれるでしょうが、そうすると、そこで何かを買わなければ悪いような気になってしまいます。
Webで調べようと思ったら、その製品をすでに買った人のユーザーレポートを探すしかなく、見つかる保証はありません。
ですから、自分は買う前に取扱説明書を参照できる方がありがたいです。

そして、もうひとつ。
これは自分がこういった仕事をしているからこその感じ方かもしれませんが、取扱説明書を公開しているメーカーの方が信頼がおけるような…気がします。
第一には、ユーザーサポートをやる気があるかどうかが透けて見えるということ。
もう一つは、取扱説明書には「良いことも悪いことも含めて」書いてありますから、そういうことも含めて公開しても使う人の利便性を優先する会社だと考えられることです。

以上の理由から、弊社としては取扱説明書はできだけWebにて公開(パスワードなど付けない)することをお奨めします。

もちろん、弊社では紙の取扱説明書と同時に公開できる形式のPDFも同時に提供させていただいております。と、宣伝をさせていただいたところで、今週はここまでに。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第156回広告コピーと取扱説明書の違い

本格的に寒いです。
外の天気もどんよりとしているため、お日様が入らなくてちっとも部屋が温まりません。

さて今回から、通常のスタイルに復帰です。
タイトルの通り、取扱説明書の作り方にもどっていきます。

■広告デザイナーと取扱説明書屋

取扱説明書を作成しようと考えている人で、広告代理店やデザイン事務所に依頼すればできるだろうと考えている人もいると思います。
しかし、デザイン会社に依頼する前に、一度、そこが広告を主な仕事にしているところではないかを確認してから依頼した方が良いと思います。
なぜなら、取扱説明書に必要なテクニカルライティングと、広告のコピーライティングはまったく異なったことだからです。
テクニカルライターとコピーライターはどちらも製品について文章を書く職業であり、いずれもその道のプロフェッショナルです。しかし、向いている方向はまるで違うのです。

  • 取扱説明書は「購入したユーザー」向けの「技術文書」です。
  • 広告コピーや商品パッケージは「購入前」向けの「宣伝文書」です。

対象とする読者の想定が異なります。そして、目的も異なります。
たとえば、広告には製品の欠点は記載されませんが、取扱説明書の場合「危険」「やってはいけないこと」として欠点も記載されます。

つまり、方向性が全く異なっています。これはどちらかが優れているとか、良い悪いのはなしではありません。
こういった理由から、宣伝コピーと取扱説明書の両方を作れる人はまずいません。

■取扱説明書屋の目指す方向

それでは、取扱説明書とコピーライティングの方向が違うことを理解したら、次にどうしたら良いのでしょう。

そうすると、「ぜひとも弊社に」と宣伝をしたいところではありますが、そうはいってもいろいろ事情があるでしょうから、とりあえず取扱説明書は取扱説明書で専門の制作を行っているところを探した方がよいでしょうというアドバイスになります。

そして、メーカーの方は是非とも「自社で」取扱説明書を作るようにしていただきたいと思います。

これは弊社の仕事が増えるかもということも無いわけではありませんが、それよりも、マジメにメリットがあるからです。

以下にメリットを挙げてみます。

  • 製品を販売会社や卸に売り込むときに、取扱説明書を渡せばすむ。
  • 販売用のパンフではないので、メリットデメリットを含めて説明できる。
    (メリットだけでは信用されないこともあります)
  • 販売会社が取扱説明書を作る必要がなくなる(コストダウン)。
  • 販売会社が顧客に説明するのも容易になる。
  • 販売会社へ問い合わせがあったときに取扱説明書を見て回答できれば、更にそれがメーカーまで回ってこないですむ。
  • カタログの文言を考えるのが楽になる。
  • 販社にとっては保証書以外に責任の所在が書かれた文書が点くことになる。、

販売寄りのことを書いていますが、自分はメーカーさんはこういうポリシーであってほしいと考えます。

良い商品を作り、それを正直に説明して売る。

もちろん、販売部門まで持っている大メーカーさんは「売る」ための方法も駆使するのが当然ですが、そうでなければ「売る」ことについてはプロである販売会社を信用して良いと思います。お互いに得意なところを分担する。

そして、その製品に必要な取扱説明書について、お手伝いができれば良いなぁ、と思っているのです。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


【わかりやすいマニュアルの作り方】2012年新年特別版

あけましておめでとうございます。

遅めではありますが、新年のご挨拶を申し上げます。

さて、新年第一回は特別編です。今回は取説の作り方ではなく、弊社石井ライティング事務所は、今年どのようにしようかと考えてる内容について書こうと思います。

技術的な内容については、今回はお休みさせてもらいます。申し訳ありません。

■今年の目標

「取説屋」というものがあり、それは「自分の会社でも普通に依頼できる」ようなものである、たとえていえば街のデザイン事務所と同じようなものであることをできるだけ多くの方に理解して頂く。

また、「取扱説明書は技術者や営業担当の片手間では作れない、専門技能を必要とする専門職である」ことを同時に理解していただく。これは特別なことではなく、上記のデザイン事務所のことを考えてみればお分かりいただけるだろう。確かに、Illustratorを使って、ポスターを作ることはだれでもできる。だが、それが商品になるレベルかということである。ちなみに自分はデザイナーではないのでポスターを作ることはできない。

もうひとつ、製品のボックスに書く内容や広告の内容と取扱説明書はコンセプトが異なり、したがってやはり広告制作を得意としているデザイン会社にも、「良い取扱説明書」を制作するのは難しいと言うことである。もっともこれは裏を返せば自分には「良い広告のキャッチ」は作れないということでもありますが。

■目標その2

取扱説明書は製品に必要なものであるという理解を広める。

これについては方法を考え中である。これが理解されないと、取説屋という仕事は広がらない。

現状では、PL法が要求するかたちになっているが、こういった強制力によるものではなく、「取扱説明書は製品に必要なものである」というコンセンサスが広まって欲しい。

自分はいま、メーカーからバイヤーに売り込みをかけるときに「商品自体に語らしめるツール」として必要なのではないかと考えている。宣伝用のパンフとはコンセプトが異なる文章なので、商品の内容(場合によっては「危険」などの表記で欠点も含む)をしっかりと伝えることができる。

また、取扱説明書をメーカーではなく販売会社に制作してもらうことは可能ではあるが、そのかわりに製品の販売ルートが、その販売会社に限られてしまうという問題が発生する。

だから自分はメーカーに自分の製品について自社で取扱説明書を付けるというコンセンサスが広まって欲しい、そして自分のところがそのお手伝いできると良いなと考えているのである。

なんだか、堅い内容になってしまったが、新年だし、たまにはこういう話もありであろうか。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


明けましておめでとうございます

石井ライティング事務所代表の石井です。

去年はいろいろと大変なことがありましたが、今年はそれ以上に良い年になりますように。

なお、新年の更新は第3週から行います。

一週お休みを頂きます。


【わかりやすいマニュアルの作り方】第155回エディトリアルデザインの話

もう年末です。
あっという間に、年の終わりが来てしまいました。このブログも細々ながら155回、読んでいただいている方には、感謝にたえません、また来年もよろしくお願いします。

さすがに、新年の更新はお休みさせて頂きます。

■エディトリアルデザインの話

今回は取扱説明書のデザインの話です。
取扱説明書のデザインと、広告・宣伝・広報のデザインは目的が違います。
したがって、同じ考えで作ってはいけません。

デザインというと、目立つもの、綺麗なもの、かっこいいものを作ることがイメージされますが、デザインは目的にしたがって作られるものです。
自分は基本的に製品の特性を調べ、それを記述すること・説明することを本業としている「テクニカルライター」であり、デザイナーではありません。
実際のところ、カッコいいものを作りたければ、躊躇無くデザイナーに依頼しますし、その方が良い結果が得られることは分かっています。
しかし、文章全体を構成する編集という技術の中には、文章全体の論理的な構成を作成し、それを見やすいように並べるといった技術も含まれています。エディトリアルデザインというものです。
さてそこで考えることですが、見やすいとキレイというのは必ずしも同じではないということです。もちろん、優秀なデザイナーがデザインすると両方を満足することは可能ですが、一般的なデザインを業務としていない素人の社員が行った場合を考えています。

自分がデザインの教育を受けたわけではありませんが、ソフトウェアの必勝本などを作った実務経験から指定紙の書き方などを実務で覚えさせられました。

■デザインの要件

では、エディトリアルデザインで要求される内容の簡単な例をあげてみます。

  • 内容が論理的なブロックで分かれるところは、視覚的にもブロックとして認識できるように、分けるのが望ましい
  • 説明本体の流れとは別だが、その場所に置いておいた方が良い説明はコラム形式にして近くに置く。

難しいことではないと思います。むしろここを読んでいらっしゃる方としては「なんだごく普通のことじゃないか。」と思われるかもしれません。そうです、それで正しいのです。

ですが、実際に業務マニュアルを作成しようとすると、ソフトに準備された機能に引きずられてしまうということがよくあります。

特にMicrosoftWordなどを使って政策をしていると、意識的に避けようとしていない限り「ぎっちぎち」に詰めたものを作ってしまう傾向があります。
ソフトウェアがもともとビジネス文書を作成するためにできているので、一般ユーザー向けの文書を作成するときは、いくつかの設定を変更しなければならないのですが、そんなやり方はどこにも書いてありません。

上の要件を満たすための見出しの作り方や、コラムの作り方は機能としてはWordの中に用意されています。しかし、それは使い方を知っていないとそこにアクセスすることはできません。

たとえば、人が一目で見ることができる1行の文字数はどれだけか、1行の行間はどの程度にするのが適正かといったことは制作を始める前に知っておくべきことです。
そしてそのために、ページ数が多くなったり、思ったより改ページが多くなって白っぽい取扱説明書になったからといって、きっちりと詰めた文書にすべきではありません。

優先すべきなのは使う人にとっての、読みやすさなのです。

前にも書きましたが取扱説明書は、製品を扱うために必要な「お客様に説明する」部品です。
部品であれば「使いやすく作る」のは当然だと思うでしょう。取扱説明書も使いやすくなければならないのです。

色を使わないとダサく思うかもしれません。

見出しがデカくてバカみたいだと思うかもしれません。しかし、人間にはある程度以上の差がないと見出しと本文を見分けることは難しかったりするのです。

1ページの情報量が少ないと思うかもしれません。

こういったことを上司から言われるかもしれませんが、それでも取扱説明書はお客様のために作っているということを忘れないでください。

少なくとも弊社ではそう考えて取扱説明書を制作しております。

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【わかりやすいマニュアルの作り方】第154回番外編広報・宣伝の話

本当に年末が近くなってきました。来週にはもうクリスマス、なんだかびっくりするほどです。

ちょっと怪我をしたり、実家にあった家具を一部屋分処分したりといろいろバタバタしているうちに、あっという間に年末です。、

■ブログで集客?

さて今回はタイトルとは異なって、このブログの話をしてみようと思います。

このブログは、もともと「客寄せのため」に毎週マニュアルのネタを書いてみようというのが趣旨でした。

当然ながら始めたころには検索では全く出てくることもなく、「こんなことをやっていって意味があるのだろうか?」という疑問を感じるほどでした。

普通の人は、そういう状態が2~3カ月続いたらまず諦めると思います。しかし、自分は職業がライターであることで、書くことには慣れているため、そのまま書き続けました。

この時点では特にどうこうしようという目当てはありませんでした。

実際、検索上位にくるというあてもありませんでしたし、途中でやめるのは癪だという理由で続けていたのが正直なところです。

実際の所、サイトやブログを見ての問い合わせはこの時点ではほぼ0でした。

この時点ではサイトは名刺を渡した後に「石井ライティング事務所ってどんなところだ?」とウェブ検索をしたときに「なにもない」のは格好悪いだろうという程度の役目しかしていなかったというところです。

それと、サイトを見ても5年前から何も更新をしていないのでは、やる気がない-廃屋のように見えてかえって悪い結果につながったりしますから。

■面白い・役にたつコンテンツとは?

さて、そうやって何のあてもなく二年ぐらい続けてみました。現在はさらに一年が経過してほぼ三年目です。

すると、わずかに…1ヶ月に一件くらいですが「ウェブを見ました」という問い合わせがぽつぽつと入るようになりました。

この時点では「ウェブで集客」なんてことはSEO業者の言っているタワゴトに過ぎないと自分は達観していました。

ブログを始めた頃は全然アクセスが伸びず、当然問い合わせもきません。ですから、自分もかなり焦りました。もしかしたらSEO業者に依頼して、アクセスを増やしてもらった方がよいのではないだろうかなどとも考えました。

しかし、言うまでもなくそんなことをしても意味がありません。
なぜならば、検索上位に上がって誰かが見に来たとしても、そこに見るべきものはないからです。

たとえばブログの記事が10本くらいしかないサイトや、日常の日記しか書いてないサイトが検索上位に来て、それを誰かがアクセスしてみたとしましょう。
そこに問い合わせをして、取引をしたいと考えるでしょうか。

少なくとも自分は絶対にそんな相手と取引をしたいとは考えません。

面白い・役に立つということは人によって違います。そのために、さまざまな人に対応できるようにするためには、記事にボリュームが必要です。

2週間に1本の記事を書いた場合、だいたい3年くらいで70~80本くらいの記事が書けます。まじめに仕事のことを書き続けていけば、これだけあれば読み応えのある内容になります。

実際、ブログで仕事のことを書いて、仕事につながるようにしようと思ったら、他に方法はないように思います。

■書き続けること

ですがこのように仕事のことを、書き続けることは、実は意外に大変なことです。

これを読んでいるあなたが私のようなライターを職業にしている人でなければ、毎週更新をしようと考えると、早晩限界が来ます。もちろん、担当社員が数人いるならば、できるかもしれませんが、書くことを得意としていない人にとっては大変な負担です。

ですから、無理のない頻度(1月に一回程度でしょうか?)で気長に更新を続けることをお奨めします。

頑張っていきましょう。

 

……と書いておいて何ですが、毎回マジメに仕事の記事を載せたいのでしたら、弊社はテクラカルライターによるインタビューから記事作成までお手伝いできます、とちょこっとPRせてもらいます。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


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