【わかりやすいマニュアルの作り方】第151回 文字組とわかりやすさ

前回でこの【わかりやすいマニュアルの作り方】も150回を超えていたのですね。
自分ながら驚きです。
一応はとついてしまうものの、仕事のネタだけでこんな回数を書けるとは思っても見ませんでした。

最初は2008年6月30日ですから、4年とちょっと続いているということになります。
最近は、ここの内容を使って取扱説明書制作-または既存の取扱説明書の修正のコンサルティング゛も手がけようかと思っています。

■文字組とわかりやすさ

さて、本文です。

今回はとりあえず、現在社内などで取説を作ることになっていて、既存のものがわかりにくいという人向けです。
はい、タイトルの通り文字組を見直して見てください。そして、その取説のすべてのページに同じスタイルを適用してください。それだけで(と言ってもページ数によっては結構な作業量です)その取説はぐっと見やすくなるはずです。

■本文と見出し

「本文は文字が大きいほど見やすくて分かりやすい」ははっきり申し上げまして嘘です。
文字は意味のある一固まりずつにまとまって、それを論理だって並べてなければ意味はとれません
まずは、機械的に意味のあるブロックごとに見出しが付いていることを確認してください。
次に、ワープロであれば、以下のルールに従ってそれぞれの見出しと本文を書式設定してください。

  • 大見出し/レベル1見出し
    太いゴシック14pt以上
    見出しの前に改ページする(できれば自動で)
    この内容は「インストールする」「設定する」「使い始める」といった大きな区切りです。これより意味的に小さい内容の見出しが「大見出し」になっていたら、その見出しはレベルを「中見出し / レベル2見出し」に落としてしまってください。
  • 中見出し / レベル2見出し
    太いゴシック12pt以上
    段落罫線などで、ページをいっぱいに区切る。
    視覚的に、ブロックが認識できるように設定する。
  • 小見出し / レベル3見出し
    本文と同じフォント。太字、インデントなし。
    このレベルの見出しはなくても良い。
    むしろ小見出しが多いということは、見出しレベルの設計を、中見出しにならないか見直ししてみるとよい。
  • 本文
    2~4文字分のインデントをつけてください。
    このインデントの目的は「見出しと本文が違う」ということを明らかにするためです。 多くの素人さんが作成した取扱説明書はここができていない場合がしばしば見られます。
    見出しと本文があまり違わず、気軽にa. b. 1. 2. …などと付けてしまった結果、大幅に検索性が落ちるというか、自分がどこにいるのかすらわからなくなるという事態に陥ってしまうのです。

上の方で小見出しの項目で見出しレベルの再設計を考えた方が良いと書きました。

■よくあるレイアウトについて

ここではよくある例を挙げてみます。見出しは以下のように設定されているとします。
■大見出し ●中見出し ◆小見出し

以下に、よくある例を示します。
■設定
●初期設定
小見出しは略
●機能設定
◆画面設定
◆サウンド設定
◆操作設定
◆通信設定
◆セキュリティ設定

こんな感じで書かれているものをよく見ます。
実際、これの何処に問題があるのか、と思われるでしょう。

デザインにもよりますが、レベル3である小見出しは、論理的ブロック内の区分けです。つまり、画面と操作と通信とセキュリティの設定は「すべて同じ論理的ブロックに含まれる」ということです。
これだけの膨大な内容を一つのブロックとして理解するのは、普通の人には困難なことです。人が一つのブロックとして理解できるのは1つかせいぜい2つの見開きまでです。8ページも10ページも同じ中見出しの文章があったら、それは見出しの設計がおかしいです。
たとえ、仕様書の設計がそうなっていても、従わなければならない理由はありません。見出しの設計から見直すべきです。

上記の例は、こう設計すべきところです。
■初期設定
■機能設定
●機能設定の入り方
●画面設定
●サウンド設定
●操作設定
●通信設定
●セキュリティ設定

こういった見出しの見直しをして、きちんとフォーマットしてやると、テキストの修正をしなくても見違えるほど見やすくなる場合があります。
この項目は長くなってしまったので次回に続きます。

マニュアル(取扱説明書)制作の専門家 取説屋:石井ライティング事務所


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