塞主の部屋

両山泊で一番偉い人の部屋

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しーんと静まり返った部屋だ。

誰かが使った形跡もない。ぽつんとひとつ豪華な椅子があるだけ。

「もしもし」誰かが話しかけてきた。
振り向くと、むさくるしいおっさんである。

「両山泊の塞主はまだ決まっておらんのですよ」
おっさんは聞かれもしないのに言った。
「私は門番小屋で管理しているというものじゃが、いずれは天下の好漢から、ここの塞主となるものが現れるじゃろういうことで、管理だけしておるのじゃ」

「とりあえず、もう閉めたいから出てくれないかの?」

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