門番の小言

<両山泊番人の小言の部屋 NO.9>



■弱点その二 (99/12/30)                             

誰でもそうだろうとは思うが、身の回りには細かいトラブルが常にある。
最近もちょっとあった。内容はたいしたことではないし、プライベートであるので省略する。ひとつだけ誤解を避けるために書いておくが愛犬ポチのことである。

まぁ、この場合はポチだったが、僕はどうも自分の大切なものを傷つけようとするものに対しては、とても危険で激烈なキレ方をする。
むしろ自分に対する危険の方がはるかに冷静に対処できる。

自分でもまずいと思うし、これを逆用されるととても大きな弱点になることはわかってはいるものの、この場合だけは瞬間的にぶつっとキレる。他ではありえない瞬間湯沸かしモードでだ。理性は小さい声で止めようとしていても、激怒がそれを上回る。
で、(幸いやったことはないものの)本当にキレて暴れたら、間違いなくひどい結果になる。
とはいえ、この欠点は自分の根幹と堅く結びついていて、容易に直せるものではない。いかに制御するかの問題ではあるが。

来年の課題ということにしておこう。

■続・一人前 (99/12/26)                             

実はまだ考えつづけていた「一人前」の内容だが、なんとなくわかってきた。
自分ひとりのことを自分でできるのはあたりまえ、だけどこれだけでは一人前とはいえない。ここまではすぐにわかった。
まぁ、いい年をして自分の頭の上の蠅すら追えないような輩もいるけれども、これは論外として。

自分のことは自分でこなして、あと2人分くらい目を配って余裕でサポートできるって状態が「一人前」なんじゃないかと思った。
ううむ。わかりにくいかな?
では、わかりやすい例として、戦いの話にしてみよう。
敵(複数)と相対した場合に、自分の身を護るのにせいいっぱいだったら、とても一人前の働きとは言えない。もちろん、自分の身すら護れないのに比べれば充分立派だけども。
自分の身は余裕で守って、仲間のカバーまでこなせる状態。ここまできて、はじめて一人前といえるのではないだろうか。
そう考えると、僕はまだ「一人前」には足りないのである。精進しなきゃ。
もちろん、武術だけのことではない。

■クリスマス (99/12/23)                              

やっぱり季節ネタかい、と怒る前に。
この日は僕の「石井ライティング事務所」が初仕事を受注した記念日なのだ。
僕にとっては幸いにも、22日に発注を出されたところがあり、当然ながらこの時期にはライターといえどもつかまらない。そこで「明日面接に来るライターに振っておけ」ということで、初仕事をいただいたのであった。
今年もたぶん仕事をしてクリスマスをすごし(道場にいくかも)、無事に1年をすごせたことを祝うのだろう。
そして、たぶんその次の年も。
少しずつ変りながら、変らない。これはめでたいことではないだろうか。

■一人前 (99/12/20)                                

いまごろこういうことを書くと、怒る人がいるかもしれないが、勘弁してほしい。
リチャード・ボライソー(イギリスの海洋冒険小説)で、指揮艦をもち艦長になるという話を読んでいたときに、ふと考えたのだ。
「ああ、自分も1年前に船長になったのだなぁ」…そして。
はじめて気がついた。
「つまり、すでに自分は一人前なのだ」と。
いままで、会社勤めをしていたときは、会社の部分であり、それと別に個人としての生活があった。その範囲でいえば、一人前の職能を持ち、それなりの社会人ではあったが、あくまでパーツとしての一人前であったと思う。
しかし、独立したいまは。
船が暗礁に乗り上げようが、進路を見失おうが、それはすべて自分のせいである。とすると、一人前でしかありえないということだ。
自覚が遅いというのはよくわかっている。
だが、遅いなりにも気付くことができた。あとは、風を知り、海を知り、旗を掲げるだけのことだ。

レッコー!!

■日本語で (99/12/15)                              

テレビをつけたら、ラーメンのCMをやっていた。
設定としては、ラーメン屋のおやじが新入りの店員にラーメンの作り方を教えているといったところ。
「もっと、こうばーっとやるんだ。」といった説明に対して、新入りがキレる。
「日本語で説明してくださいっ!!」

新人くんにはまったく共感できない。
その後、オタマでガツンとドツかれたあげく、「料理なんて教えるもんじゃねぇ」とか言われるのが正しい。だいたい、調理場で泣き声あげるんじゃない。他にお客様だっているんだし。
学校じゃあるまいし、なんでも教えてくれるってものではあるまい。
CMの作り手の考えとはまるっきり逆なんだろうけれども。

ちなみに、僕の仕事は人に物事を説明するテクニカルライターである。
「原稿の書き方? ソフトをばーっとインストールして、だーっとスクリーンショットとって、イッキに書いちまえばいいんだよ」
悪い?

■コラボレーション (99/12/14)                          

先日、営業にいったときのはなし。
「知人と情報交換をして、できる範囲で助け合う」という話になった。
そこの社長は「うむ、そういうのをコラボレーションとか言うのだな」とおっしゃった。
が、僕はちょっと「?」な顔をしたらしい。
問われるままに、僕は「人脈と言った方が僕にはわかりやすいです」と答えた。
そう答えたとたん、僕よりも一周り年上の社長は「あなた、そりゃ古いよ」と言って、楽しそうに笑った。
そっそりゃあ、古いけれども…意味不明の新語を使ったら、後で用語解説がいるじゃないかぁと思ったのであった(職業病)。

■うつる (99/12/13)                                

先日、忘年会の幹事をした。
まぁ、話が濃いとか、おいしいとかたくさんたべたとか餃子を食いつくしたとかいろいろあるのだが、それはおいて。
さて。
翌日、店のマスターから電話がかかってきて、「すみません」と言われた。
何事かと思ったところ、話はこう続いた。
「話がちょっと通っていなかったところがあり、お金をもらいすぎたので、返金したい」
かえってこちらが恐縮すると、「約束は約束だから、ちゃんと返金するね」と言われて、返金を受けることになってしまった。払った方としても納得して支払っていたのになんて律義なんだろうと強く感じはしたのだが。
その後、僕はさっそくに他の人に連絡を回して、「返金があります」と連絡したのである。
こう書くと「ごくあたりまえ」に読めるかもしれないが、年にそう何度も顔を合わせるわけではないメンバーである。悪心を起こせば、しらばくれることもできないではなかったのである。
けれども、そうしようとは思わなかったし、思ったところで実行しなかっただろうと思う。

なぜか。
マスターが誠実に返金するというものを、着服なんてことをしたら男がすたるってものだからである。
そう、良いことだって人にうつるものなのである。
ま、良いことなら影響ぐらい受けるさね、と。

■会計 (99/12/09)                                 

さて、12月ともなると、今年からとはいえ個人事業主は、会計をしめなければならない。
すると、いろいろなことがわかってしまうのだ。
いわく、国民保険料が高い、健康保険が痛い、売上が足りない…まぁ、全部は最後に集約されたりするのだが。
まったくのところ、やれやれではある。
それでもなんとか今年一年は無事に過ごせそうだ。初年度と考えると、よいとはいえないまでも落第ではなかろう。
ううーむ。今回ばかりはちょっとまじめ。
一応、わし、ひとり社員とは言えど、社長だったりするからね。
というわけで、ここにはオチはないのでした…。